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東京バンドワゴン『ヒア・カムズ・ザ・サン』を読んで

ヒア・カムズ・ザ・サン

 

東京バンドワゴンシリーズ「ヒア・カムズ・ザ・サン」は、小路幸也さん著書の集英社発行の小説。

シリーズ10作目で、テレビドラマにもなったので、ご存じの方も多いのでは。

 

東京バンドワゴン

 

舞台は、東京の下町で古本店 東京バンドワゴンを営んでいる、家族とご近所のもろもろの話。

ザックリと言えば、昔のテレビドラマ「寺内貫太郎一家」から暴力をなくし、最近のドラマ風に様々な要素をプラスした感じです。

登場人物に美男美女が多いというのも、テレビドラマを意識した作品作りが伺えます。

設定は現在ですが、昔のよき時代の話のようで、謎あり、笑いあり、涙あり。

 

毎度、春夏秋冬の4話があり、家族の食卓から話は始まり、仏壇の前で1話が終わります。

「水戸黄門」や映画「男はつらいよ」のように、パターンが決まっているが故の楽しみ方があります。

作品のタイトルは、ザ・ビートルズの曲名から取っていることが多く、曲名や諺などをもじったものも多いです。

 

 

今回の4作は、

「夏」猫も杓子も八百万(やおよろず)
「秋」本に引かれて同じ舟
「冬」男の美学にはないちもんめ
「春」ヒア・カムズ・ザ・サン

 

東京バンドワゴン

 

「夏」猫も杓子も八百万

古本店の棚からいつの間にか落ちている本と謎の遺品整理屋の男、そして少年。

夏のお話しらしく、怪談風になっています。

 

 

「秋」本に引かれて同じ舟

近所の小料理屋に来る見知らぬおばあさん。図書館で勤める若い女性と謎の本。

読書の秋らしく、本に関係する話。

 

 

「冬」男の美学にはないちもんめ

話の中心、堀田家の年末年始の話から始まり、宮内庁書陵部から来たいやな男の来店が、いろいろと難しい過去のある古本店〈東京バンドワゴン〉から、思わぬ方向へと発展。

 

 

「春」ヒア・カムズ・ザ・サン

シリーズ当初はまだ小学生だった研人は、中学3年の受験生。姉のように一緒に育った花陽は医者を目指す高校2年生。

4話目は、前の3話の流れからの解決やまとめ的な話もあり、喜怒哀楽の話が程よくちりばめられています。

 

 

 

シリーズ1作目を手に取ったのは、2作目が発売された位の時でした。

著者が北海道生まれということで、何気なく買った本でした。買う本を迷ったら、作家の出身地で決める事もあります。

登場人物は、癖の強いおじいちゃん、美しい女性陣、多種多様な関係者。

いろいろと才能のある人が多く、才色兼備の女性も多く登場します。ドラマには最適、というかドラマ故の設定なのでしょう。

 

シリーズ10作もあると、登場人物もどんどん増えていき、あまり登場しない人はどんどん忘れていきます。

トシなのでしょうがありません。

 

毎度読む度に、スカットしたり、ウルッときたり、そしてなんとも言えない幸福感で終わります。

それが楽しみで、東京バンドワゴンシリーズを買い続けています。

単行本では既に新刊が発売されていますが、文庫になるのを楽しみに待ちます。

 

 

 

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