■フォト刺繍の大きさによる表現の違い
刺繍サイズの重要性
フォト刺繍は構図がとても大事です。
約10cmの【PWシリーズ】ワッペンから、
最大30cm×20cmの【F4】まで、様々なサイズがあります。
お客様の添付写真を確認したら、まずフォト刺繍の「構図」を提案します。
人物なら、特に顔の部分を大きく入るようにレイアウトし確認していただきます。
せめて上半身は入れたいのはやまやまなのですが、
なるべく頭部以外は極力カットするようにしています。
これは、刺繍の表現上の理由が大きいので、詳しく説明することにします。
顔のサイズ感
写真でも絵でも「顔」が重要ですが、刺繍の場合は特に大事です。
フォト刺繍は「糸」のみで縫い上げます。
「糸の太さ」より細かい毛髪や瞳の輝きなどの表現が困難なことは、なんとなくでも理解していただけると思います。
そのため「目」を再現出来るサイズまで、なるべく大きく刺繍したい。
ということになります。
フォト刺繍は、決められたサイズ以内で表現しないとなりません。
特に小さいサイズの場合は、顔をできるだけ大きな構図にして、
瞳、まつげ、歯などを最大限に細かく表現できるようにしています。
顔には複雑な表情があるため、
「目や口」など細かな部分を再現することを特に注意しています。
そのため、少しでも大きなサイズで刺繍できるような構図の提案をしています。
サンプル画像で確認
言葉より画像で確認していただくのが、やはり一番分かりやすいと思います。
ネコの目の部分をあえて切り取りました。
(1) (2)
(3) (4)
(1) 元になるネコの写真
(2) フォト刺繍【N12】で作成した場合
(3) フォト刺繍【F2】で作成した場合
(4) フォト刺繍【F2】を半分のサイズで作成した場合
(4)は(3)の1/2サイズです。
つまり、「ネコの顔」だけではなく、「ネコ全身」を入れた場合を想定しています。
人に置き換えると、
(3)は、1人の構図を刺繍した場合
(4)は、カップルの構図を刺繍した場合
大まかには、このような構図を考えていただければ分かりやすいかも知れません。
このことから、少しでも大きく刺繍した方が、細かく表現ができるということになります。
画像の解像度
でも、「2人ではなく1人の写真にしないと」と悩まないでください。
「写真の注意点」は、ホームページの色々なところで書いていますが、
被写体の大きさ、画像の明暗、手ブレの有無の他に、写真の解像度も重要なポイントになるからです。
どんなに大きく刺繍できたとしても、解像度が粗い写真だとうまく刺繍するのは困難です。
つまり、もともとピンボケの写真をキレイにプリントすることはできないことと同じ意味なのです。
可能であれば、被写体が大きく写っていて(人物であれば顔のアップ)、明るめの写真で、手ブレのない写真を選んでいただければと思います。
モザイク画で説明
私がするフォト刺繍の説明で、モザイク画を引き合いに出すことがあります。
モザイク画は、全体像がどんなに大きくても、
モザイク1ピクセルが大きいと、何の画像だか確認しづらいですね。
「糸の太さ」があるため、小さいサイズの刺繍は、表現が難しいということなのですが、モザイクの説明は、あまり良いたとえではなかったのかもしれません。
顔のサイズ感にとらわれない写真
顔の刺繍サイズが大きい方が、細かく再現出来るとことは理解いただけたでしょうか。
でも、顔のサイズを重要視しなくてもいい写真があります。
それは、スポーツ、乗り物が動く場面などの、主に動きのある写真です。
スポーツをしている場面ならば全身を刺繍したいという意向は当然ありますが、上半身だけを切り取ると動作が止まって見えたりします。
また、顔が細かく表現ができないことで、逆に動きのある刺繍、勢いのある刺繍になります。
それもこれも、構図の提案が大事になってきます。