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「失敗学のすすめ」を読んでみた

 

失敗学のすすめ

 

畑村洋太郎さんの著書(講談社文庫)「失敗学のすすめ」。

企業のトップや組織のリーダーは、知っておかなければならないことが満載のビジネス書です。
畑村洋太郎氏の「失敗学」、今後の日本にとっても不可欠な一冊です。

 

 

プロローグ 失敗に学ぶ

第一章 失敗とは何か

第二章 失敗の種類と特徴

第三章 失敗情報の伝わり方・伝え方

第四章 全体を理解する

第五章 失敗こそが創造を生む

第六章 失敗を立体的にとらえる

第七章 致命的な失敗をなくす

第八章 失敗を生かすシステムづくり

エピローグ 失敗を肯定しよう

 

失敗学のすすめ

 

最近、相撲協会の件を始め、今の日本を象徴するような出来事や事件がとても多いようです。

「失敗学」を知らない人達が起こした事件、不祥事だといえます。

 

雪印乳業食中毒事件

《大阪工場製造の低脂肪乳などにより食中毒事件が発生》

日々の作業に従業員は疲弊し、安全が忙殺された、組織のリーダーの失敗により起きた食中毒事件。

 

三菱自動車工業リコール隠し

《三菱自工の乗用車部門、トラック・バス部門による大規模なリコール隠し事件》

 

日産の無資格検査事件

《新規登録車の最終検査を認定外の自動車検査員が行っていた不祥事》

 

自動車会社2社の大企業のおごり高ぶりから、リーダーの高慢さや間違った自負が災いした隠蔽事件。
これらの企業は、大企業ではあるが一流企業ではないと、この時点ではいえます。

 

森友学園の決裁文書改ざん問題

《財務省による公文書の改ざんが明らかになり、行政の隠蔽が露わになった》

 

行政や警察など、失敗をことさら忌み嫌うための隠蔽体質が常態化しています。
そのため責任も取りたがらないし、自尊心や誇りから、地位や権力を優先し、隠蔽の選択肢以外はもはやない役人たちの失敗。

 

KEEP OUT

 

なお、畑村洋太郎氏は「失敗学のすすめ」で企業を非難したり、忠告をしている本ではありません。
なぜ失敗したのか、どのような失敗だったのかなどを学術的に分析し、対処方法などを説明や提案をしている本です。

 

 

予期できなかった

 

事件があったあと、記者会見などで「予期できなかった」「思いもよらなかった」の言葉が出てきます。
でもこれは大きな会社や組織ほど言ってはならない言葉です。
「予期できなかった」「思いもよらなかった」は、何の対策も持たない会社のセリフだからです。

 

製造業などは、日々ミスのないようなシステムを考えており、不測の事態でも対応できないと大惨事になる可能性があるため「予期できなかった」はないように心がけています。
そのため、「予期できなかった=何も考えていない」と同じ事になります。
リーダーが「予期できなかった」のセリフを言う時は、隠蔽しようとしていたか、危機管理のできるリーダーがいない組織、というのが現状ではないでしょうか。

 

 

失敗=恥

 

日本においては「失敗は恥」と思っている人がほとんどというのが大きな問題としてあります。
失敗を恐れるがあまり、失敗をする前から固執した考えから逃れられず、変化に対応出来ずに失敗し、バレて恥をかきたくないから隠蔽をする。

そのため、失敗情報を共有できないため、失敗を繰り返してしまう悪循環になります。

 

「失敗=恥」という呪縛から逃れられないために、大きな失敗や隠蔽をしてしまいます。
三菱や行政など、ほとんどが「失敗=恥」に囚われすぎているため起きてしまう不祥事。
でも、世の中のほとんどが失敗から始まっています
失敗こそが財産と思えないと、「失敗=恥」をいつまでも逃れられなくなってしまいます。

 

 

失敗のすすめ

 

畑村洋太郎氏は「失敗」を推奨しています。
併せて、失敗した人を責めるのではなく、なぜ失敗したかを検証、データ化し、失敗を活かす方法が重要のようです。
失敗は必ずあること。最後に成功があればいい。という考え方が畑村洋太郎氏の「失敗学」です。
また同時に、よい失敗悪い失敗があることも覚えておかなければならないようです。

 

失敗しないために、よく成功例を手本に学ぶという方法があります。
でもこれは、結局のところ上手くはいかないようです。
当然です。経営者や組織が違えば、仕事方法も必然と違ってきます。
成功例を手本にするという、日本のマネ文化は通用しない時代のようです。

 

 

失敗学に学ぶ

 

官民ともに「失敗」を忌み嫌う風潮から脱却しないと、いつまでも隠蔽体質から抜け出すことができません。

人の振り見て我が振り直せ」という諺があります。これは失敗を予測し自分の失敗を回避するという「失敗学」ではないでしょうか。

畑村洋太郎氏の「失敗学」を真摯に学び、隠蔽しない組織を心がけようと強く思いました。

 

 

 

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