グラビアは写真集のこと?
グラビアと聞くと何を思いますか?
アイドルですか? 写真集ですか? 袋とじですか?
グラビアは、アイドルのことでも写真集のことでもありません。
グラビアとはグラビア印刷のことで、印刷の方式です。
印刷の種類には活版印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などいろいろあります。
分類分けすると「凸版印刷」「凹版印刷」「平版印刷」になる。
他にシルク印刷、オンデマンド印刷などもあります。
印刷の技術も年々進化しているため、代表的な印刷を説明します。
凸版印刷=活版印刷、フレキソ印刷など
凸版印刷は、版画やハンコのような印刷方法。
印刷しない部分を削ったりし、残した部分にインクを載せて印刷する方法。
昭和30~40年代までは凸版印刷が一番代表的な印刷方式。
金属の版や樹脂の版などがある。
映画「男はつらいよ」で、たこ社長が営んでいる印刷会社の印刷方式が活版印刷になる。
印刷関連の人は「印刷はもっと進化しているのに」と思いながら見ていた。
昔の印刷物で、文字の形で穴が空いたものもあった。凸版で押しつけるためだ。
凹版印刷=グラビア印刷など
凹版印刷は、エッチングのように印刷する部分を削り、その凹んだ部分にインクを入れて印刷する方法。
凸版印刷とは逆の版、印刷方法になる。
写真印刷に一番適していると云われているのが凹版を使うグラビア印刷。
美術本など、8色印刷や12色印刷など、通常の4色印刷の他に特別な色のインクを重ねて印刷することもある。
平版印刷=オフセット印刷など
平版印刷は、字の如く、凸版でも凹版でもない平らな版を使う印刷。
水と油の反応を利用し、印刷する部分を版にインクを載せ紙に転写して印刷する。
(でも、厳密に言えば凸版印刷の一種といえるようです。)
オフセット印刷は、現在でも代表的な印刷方式で、中小の印刷会社はほぼオフセット印刷を使用している。
一番のメリットは、アルミ版や紙版など印刷の版が一番安く作れるため、多くの印刷会社で利用されている。
ただし、印刷が数千枚から数万枚が印刷限度とされる。
週刊誌や雑誌
週刊誌や雑誌の場合、色の付いた紙やあまり質の良くない紙の印刷は、凸版印刷だ。
版が丈夫なため大量印刷に適している。
カラー印刷部分は凹版印刷を使用。
週刊誌や雑誌は、凸版印刷と凹版印刷の両方を使っている。
カラー印刷の凹版印刷は、グラビア印刷のことを指す。
モデルさんが「グラビア撮影」というが、略さないでいうと「グラビア印刷用の写真撮影」という意味だ。
「グラビア」は、写真集でも袋とじの意味でもないのです。