マジンガーZ格納庫代
マジンガーZの地下格納庫建設費
「マジン・ゴー!」「パイルダー・オン!」
兜甲児が操縦するホバーパイルダー(ジェットパイルダー)が、地下格納庫からマジンガーZが移動してドッキング。
マジンガーZの出撃シーンは、毎回ワクワク気分でした。
マジンガーZの後続、グレートマジンガーの出撃シーンも同様にワクワクしていました。
マジンガーZやグレートマジンガーばかりではなく、
ロボットアニメの各ロボット出撃シーンは、どれもカッコよく感激すらします。
マジンガーZ格納庫代
でも、少し大人になってから一瞬考えます。
「ロボットが出撃するこの格納庫や基地、無駄な出費じゃない?」
「この基地は、工事に何年掛かり、いくらするんだろう?」
そんな夢のない想像に、真摯に向き合った本があります。
「前田建設工業株式会社」の本「前田建設ファンタジー営業部」です。
シリーズで何冊かあるのですが、第1弾は『「マジンガーZ」地下格納庫編』です。
ちなみに「前田建設ファンタジー営業部」は、第36回星雲賞ノンフィクション部門を受賞しています。
マジンガーZ地下格納庫の他に「銀河鉄道999の高架橋」「機動戦士ガンダムのジャブロー基地」などがあります。
地下格納庫を発注
マジンガーZの地下格納庫を、現在の建設技術で、どのような重機を使って、どのような方法で工事すればいいのか。
また、工事費は一体いくらかかるのかを、大真面目に考えている本です。
マジンガーZが出撃する地下格納庫は、ほとんどの人が「プール」の下からだと思っているはず。
でも「プール」ではなく「汚水処理場」だそうです。
汚水処理場の水槽が真ん中から左右に別れて水が抜け、エレベーターによりマジンガーZがジャッキアップされる一連の流れを可能にする、地下格納庫を実際に発注したらどうなるか。
プロの目線で工法や段取りなどを解説しているし、一般の人が読んでも分かりやすいように、疑問点、解決策などとても詳しく書かれています。
建設費は
マジンガーZの地下格納庫の建設における最大のポイントは2つ。
1.最低20mは掘削しなければならないため、掘削方法や重機の問題。
2.マジンガーZをジャッキアップするためのリフト方法とその開発。
結果として、「マジンガーZ」地下格納庫の建設費は
総工費72億円・工期6年5ヵ月(2003年当時の見積り)
建設関係の仕事に就いたことも詳しくもないので、この金額がどの程度のことか分かりません。
ただ、マンションを建てるよりはかなり高い金額のようで、想像以上に手間の掛かる工事のようです。
身も蓋もない
結果として思うことは、
地下の格納庫ではなく、光子力研究所からマジンガーZを地上の高さでスライド移動させてあげれば、50億円くらいは削られたのではないか。
という、身も蓋もないようなことを思ったりします。
グレートマジンガーの格納庫の場合だと、
水中からのジャンプアップのため、多分、マジンガーZの格納庫以上にケタ外れの金額だろうと想像できます。
とても現実的とは思えないし、どこのゼネコンも受註してもらえないかもしれません(^_^;)
そんな事を考えながら「前田建設ファンタジー営業部」は、おもしろく読みました。
多くの人が考えたこともないような視点で検討していたり、建設の技術とか読み応えもありとても良かったです。
空想科学読本
少しだけ似た感じの本で、「空想科学読本」というシリーズの本があります。
空想科学読本は、科学者が「科学的に検証」して、可能なのかどうなのかなどについて書かれています。
ロボットマンガやヒーローもの、SF映画など、様々なジャンルを科学的に解説もしています。
一例として。
「超電磁ロボ コン・バトラーV」は、歌でもあるように「身長57メートル、体重550トン」の設定です。
でも、実際57メートルの大きさでの重量が550トンだと、ほとんど張りぼて状態の重さしかないと書かれています。
そのうち、空想科学読本もブログにしてみようと思います。