竹内均編集長の科学雑誌ニュートン(Newton)
科学雑誌のパイオニア
創刊から30年以上発行しているニュートン(Newton)という科学雑誌があります。
科学に特化した、写真とイラスト、わかりやすい文章の専門雑誌です。
創刊から現在でも定期購読されている方は、たくさんいると思います。創刊の前に0号というのもありました。
私は、創刊から12年間ニュートンを定期購読しました。先端の科学情報と、SFではない、全く知らなかった科学の話がきれいなイラストで描かれていて魅了されました。
編集長 竹内均さん
1981年7月号がニュートンの創刊号です。竹内均さんを編集長として教育社から800円で発売されていました。
買うきっかけとなったのが、編集長として竹内均さんが就任したからでした。
テレビの科学番組といえば竹内教授、という記憶があります。また、尊敬もしていました。
科学とSFが好きな私ですので、その人が雑誌を編集するのですから、買うしかないです!
※創刊年(1981年)に発行されたニュートン
創刊号の内容
ニュートンの創刊号の内容に触れますと、「太陽系」「遺伝子」「万有引力」「日本列島」「クローン」などなどです。
「太陽系」は、NASAが打ち上げた惑星探索機ボイジャーが撮影した惑星や衛星の写真を多数掲載しています。
木星や土星またはその衛星の接近写真や、太陽系をイラストで描かれたわかりやすい図解もあります。
「万有引力」は、学校で教わるような部分からわかりやすく始まり、学校では教えてもらえないようなことや、専門的な情報を取り混ぜながら説明されています。
ニュートンの基本は、分かりやすい説明文ときれいで精密なイラストです。
「日本列島」は、これもNASAから打ち上げられた、人工衛星ランドサットから撮影された日本列島の写真が載っています。
北海道から沖縄まで、まだまだ緑が多かった時代の日本列島が写真で詳細にわかります。
また、号は違いますが、付録でランドサットから撮影された日本列島全景の大判のポスターもあり、部屋に貼っていました。
この当時で、ランドサットが3号まで打ち上げられています。今では8号のようですので、もっと鮮明な写真なんでしょうね。
素粒子
現在ではニュートリノの話題も時々ありますが、
この当時では、まだほとんどの人が知らなかったであろう素粒子ニュートリノの記事も載っています。さすがに科学雑誌ニュートンといったところです。
(蛇足ですが、この「素粒子」をもじって会社名にして私は起業しました。)
他にも、電子顕微鏡のメカニズムやボールペンの玉を作る図解というのもあります。科学をより身近にした雑誌のパイオニアです。
そして10年後、1991年のニュートン、930円で発売されています。
この当時は、30万部以上の発行部数があったそうです。科学雑誌で30万部はすごいですね。
※1991年に発行されたニュートン
地球号
記念すべきニュートン10周年の特集が「地球」。竹内均さんの専門分野です。
まるで絵のような、幻想的で迫力のある写真の特集で、写真集のように文字より写真で物語っている、圧倒させる編集にしています。
地球の美しさとすばらしさを強調した、地球を研究してきた地球物理学者竹内均として、気合いの入った特集になっています。
竹内均さんが亡くなってからのニュートンは、どのような編集になったのかは分かりませんが、わかりやすい科学情報誌というスタンスは変わらないことでしょう。
久々にまたニュートンを買ってみようかかな?