流通しんぽう社の業界新聞:流通しんぽう
業界新聞『流通しんぽう』
流通しんぽう:
菓子・食品、流通業界のコミュニティ新聞『流通しんぽう』。
来年(2019年)、創刊40周年を迎える北海道ローカルの新聞です。
創業者の田中創氏(故人)が、地元ではないこの北の大地「北海道」で裸一貫で始めました。
流通しんぽうを作ろうとしていた当時、田中氏が印刷所に話を持って行った時、鼻で笑われたり、とんでもない見積金額を出されたり、苦労ばかりだったと打ち明けていました。
そんな経緯があるため、今では、それらの印刷所が流通しんぽう社にどんなに安い見積金額を提出しても「一切応じない」とも語っておられました。
田中氏のお金ではないという強い意志や思いを感じます。
印刷現場:
その当時の印刷は「版下(デザイン・写植)」「製版」「印刷」「製本」と分業化されていました。
1980年代の版下は、まだまだデジタル化などされておらず、とにかく時間ばかり掛かる現場でした。
今ではきっとブラック企業と呼ばれるに違いありません。
印刷は、既に3K(キツイ・汚い・危険)といわれていいました。
それでも、今よりは何倍も仕事があり、活気もありました。
そんな時代でしたので、海のものとも山のものともつかない新しい新聞「流通しんぽう」の話に乗る印刷所も少なかったのでしょう。
また、社会的にもお客さんより企業の方が立場が上だと思っているきらいがあったのではないかと思います。
レイアウト提案:
実は私は印刷関連業で働いていて、版下スタッフの一人で流通しんぽうに携わっていました。
創業者で当時の田中社長に何度も怒られていました。
基本は私の不手際なのでしょうがないのですが・・・
流通しんぽうの紙面のレイアウトは、記者たちが考えています。
でも、レイアウトに関しては私たちがプロなので、
「ここのレイアウトはこのようにした方がいいのでは」
「ここはこのようにした方がバランスがいいのでは」
などと、よく提案もさせていただきました。
そんな経緯もあり、現在でも流通しんぽうのお仕事をさせて頂いています。
とてもありがたく、感謝しかありません。
お菓子新聞:
1980年代の流通しんぽう記事は、主にお菓子と食品や観光に関する新聞でした。
お菓子の新商品が次々に発売、紙面でもどんどん紹介され、サンプルのお菓子も山ほどいただいた時もあります。
和菓子店、洋菓子店が町内にいっぱいある時代、ロイズコンフェクトが札幌市東区の小さな店舗から始まりました。
地元のため買いに行ったこともありますし、新聞や広告を作成したこともあり、特に記憶にあります。
まだ社名も「ロイズ」で、チョコレートと焼き菓子を目当てに、いつもお客さんが一杯。
流通しんぽうの紙面でもロイズの広告はよく掲載していて、今では北海道を代表する洋菓子店になりました。
そして、バブル景気が終わり、流通しんぽうも「倒産や合併」「不当要請や強要」などの言葉が紙面を踊ることが多くなりました。
印刷された新聞:
紙媒体の新聞は、ローカル紙も全国紙も関係なくだんだん厳しい時代に入りました。
ネットの時代なのでしょうがないとは思いますが、
同じ記事でも、新聞よりネット記事の方が軽い記事に思えてしまいまうのは私だけでしょうか。
もっと言えば、ネットはフェイク記事感が否めない、そんな気がします。
でも、実際にも間違っていないと思っています。
なぜなら、印刷された新聞の方が、記事に対する責任感が多くあると思えるからです。(私見です)
また、どんなにきれいなディスプレイでネット記事を見ても、印刷された紙媒体の方が圧倒的に読みやすい。
それでも、今後は雑誌でも小説でもデジタル化、ネット化が進むのでしょうね。
今はただ、ローカル紙も全国紙も紙媒体の印刷がなくならないで欲しい、特に流通しんぽうはそう願うばかりです。