分からない事があれば「教えて」と言う人
――新入社員は
昨年学校を卒業し、4月に就職した新人は、もう少しで1年が経とうとしています。
といっても、まだまだ新入社員。
分からない事があれば、先輩にしっかりと教えてもらってください。
分かったふりは大失敗を招くかも。気をつけて。
学校卒業後の新入社員は、教えてもらう、叱られる、が許される時期なのです。
しっかり学びましょう。
――2年目は
でも、2年目はそうはいきません。
いつまでも、分からないからと言って聞いていては、
本人の労働意欲や資質を疑われますし、教える側も時間の浪費になっていきます。
それでも、分からない事は「分からない」と言った方がいい。
と、私は思っています、、、でも。
――ある新入女性
私が印刷会社に勤めていた時の話です。
私が30代になるころ、新人を教えなければならない立場になっていきました。
ある新入女性の時です。
学校卒業後の新入社員ではなかったのですが、分からない事があれば、よく質問してくれて、私もよく教えていました。
前向きでやる気のある娘だな、と感じていました。
そして、3ヵ月ほど経った頃からでしたでしょうか。
いつものように分からない頃があれば聞いてくる新人です。
その頃くらいから、私は「最近教えたばかりなのになあ」と、気になり始めていました。
――自分で考え解決してほしい
分からない時にはいつも教えていた私ですが、
私の仕事に対する考えの基本は、分からない事は「自分で考え解決する」ことを重要視していました。
現在でもそれが私自身のスタンスでもあります。
新人の彼女の場合、「自分で考える」ことが不足しているように見えたので、
自分で考えて欲しかったため、聞かれても教えず、突き放してみました。
すると、彼女曰く「教えてくれればいいじゃない」。
――彼女のスタンス
彼女のスタンスが分かりました。
分からない事があれば、理解し解決しようとする気が無いんだ。
自分で考えることはせず、言われた仕事だけを消化していく人なんだ、と。
少人数の会社でしたので、誰かが休んだらそれを埋めるのは大変です。
その時は、彼女が分からなくても私がバックアップ出来ますが、いつまでもそういうわけには行きません。
分からない事があれば最低限のことだけを説明し、なるべく彼女自身で考えるように、そう教えていきました。
そうしないと、彼女自身が独り立ちできないと思っていたからです。
――でも結局
1年ほどで辞めてしまいました。
彼女はよく病院にいく娘でした。
病院に行き休んだり、午後からの出社などでは、私はよくカバーしていました。
私もそれ程体は強い方ではないので、同情すらしていました。
後で分かったことですが、彼女は病院には行っていなかったのです。
仕事が負担だったのでしょうか。今となっては分かりません。
――忘れられない言葉
私が独立してからは、新人に仕事を教えることはなくなったのですが、2000年代の新人はどうなのでしょうか。
言われた仕事だけを、それ以上でもそれ以下でもなくやっている、
と聞いたことがある一方、そつなくこなす優秀な新入社員だとも聞きます。
新入社員が教えてもらう時の姿勢で、教える側の教え甲斐というものが変わってきます。
新人の労働意欲が見えると、教える側も教える喜びもでてきます。
教えてくれればいいじゃないの冷めた言い方は、今でも忘れられない言葉です。
今思えば、会社も学校のように何でも教えてもらえると思っていたので、ガッカリしたのでしょうか。
――オジサンの戯言
最近の人は、責任を回避するため、責任を持ちたくないために、
必要以上のやる気を見せないし、そういうポストにも就きたがらないと聞きます。
だとしても、
自分で考え解決する努力はして欲しいと切に願います。
最近の若者は優秀とも聞いています。
「ガンバレ」とは言いません。
自分に何を求められているのか、常に一歩先を考えているような仕事が出来れば、
自分の人生においても良い結果が見えてくると信じています。
少しでも心に感じるものがあるならば、今の仕事が違って見えてくるかもしれませんよ。
薄っぺらい人生のオジサンの戯言でした。