最近のテレビ番組を見て思うこと
最近のテレビ番組を見て気になるワードがあります。
「号泣」
「老舗」
「甘い・柔らかい」
「希望を与える」
オヤジの独り言ですが、最近いつも引っかかっているので、ブログに書いてはき出しました。
親や友達から聞いたら鬱陶しい話かも知れませんが、
他人から聞いたらフラットに聞けるかも知れません。(どうかな?)
■号泣
「号泣」という言葉の意味をご存じでしょうか?
テレビ番組で見聞きした人にとっては「泣く=号泣」と思っているかもしれません。
でも、イメージは全然違います。
号泣とは、大声をあげて泣き叫ぶこと、です。
子どもが、だだをこねたてギャン泣きしている状態がいわゆる号泣です。
テレビ番組で「号泣」というテロップがでる時がよくありますが、
あれは大ウソです。
号泣という文字が出て、号泣する人を見たことは全くありません。
せいぜい、べそをかき泣き声が洩れた程度のことで、号泣と云っています。
テレビなのでキャッチーな言葉やインパクトのある言葉を選択しているのでしょう。
そうだとしても、最近のテレビ番組はウソの表現が多く劣化しています。
■老舗
旅や散策の情報番組が最近やたらと多いです。
でもまあ、そんなに悪いことだとは思っていません。
あまり旅をすることがない私の場合は、日本中のことが知れます。
お店に訪問したり、伝統のお菓子などを食べたり、面白いと思います。
ただ、創業30~40年程度の店で「老舗」という言葉を使って欲しくないと思います。
多分これは、歴史が長い国の人の方がより強く感じているのではないでしょうか。
老舗は100年が目安だと聞いたことがあります。
老舗の文字を調べたら「代々続いている名店」となっています。
「50年を一代で築いた店」は、どんなに有名店でも老舗ではないということです。
番組のリポーターとしては、訪れた店を良くしようと用いた言葉だと理解できます。
でもこれも、キャッチーな言葉やインパクトのある言葉を選択しているがための、テレビ番組の弊害かもしれません。
これでは、本当の老舗店がかわいそうだと感じてしまいます。
これは誰目線の意見なんでしょうか?
■甘い・柔らかい
散策番組や情報番組で、食べ物のリポートというのが良くあります。
そのうち辞書にも載るかもしれない、いわゆる「食リポ」です。
食リポは難しいと思います。多分。
多分難しいと思いますが、「甘い」「柔らかい」の言葉があまりにも多すぎます。
また、「甘い・柔らかい」の言葉は、料理の褒め言葉ですか?
「甘い・柔らかい」の言葉を褒め言葉だと思っている人が多いのであれば、
これは視聴者側が問題かも。
味には「甘味」の他にも「塩味」「酸味」「苦味」そして「旨味」があります。
甘味だけが料理の褒め言葉だったら、旨い店は誰にでもできまるかもしれません。
何でもかんでも、バカの一つ覚えのように「甘い」を言っています。
視聴者の多くは、特に「甘い」食材が好きだから、ということなのでしょうか。
また「柔らかい」「食べやすい」は、もはや料理の褒め言葉でもなんでもありません。
入れ歯・差し歯の人のための食リポでしょうか。
一番の褒め言葉は、やはり「美味しい」という言葉と表情だと思います。
■希望を与える
特にスポーツ選手が、報道番組などで「希望を与える」のフレーズを言う機会が多いかもしれません。
オリンピック、様々な世界選手権や高校野球。
日本にイマイチ活気がない時、選手が「希望を与える」という言葉は、その気持ちにうれしくなります。
でも反面、私はいつも苦々しく思って聞いています。
実はこの「希望を与える」という言葉は、あまり良くありません。
というのは「与える」という言葉は、超~上から目線の言葉だからです。
「希望を与える」を言い換えると「希望を恵んでやる」
どうですか?うれしいですか?
学生なら、あまり深く考えずに「希望を与える」と使っていると思います。
「私もあなたも一緒に頑張りましょう」的な意味合いで使っているのではないかと思います。
学生ばかりではなく、いい大人も使っている場面もよくあります。
「希望を分け与える」という思いで言っているのでしょう。
「今僕はいいことを言っているなー」と思っているかもしれません。
でも「与える」という言葉は、第三者などに使うべきです。
「あなたが○○さんに希望を与えた」などのように。
自分に対して使ってはいけません。
日本国民に向けて「希望を与える」という言葉を言って許されるのは、特別な人だけです。
希望を与えるではなく、「希望を感じてもらえたらうれしい」的な言葉の方がいいと思います。