『ケモノの城』を読んで
衝撃の問題小説『ケモノの城』
『ケモノの城』は、誉田哲也さん著書の双葉社出版の小説。
少し厚めの本ですが、あっという間に読んでしまいました。
でも、内容の一部が・・・気持ち悪い。
凶悪監禁殺人事件がモデル
2002年に北九州市小倉地区で実際にあった凶悪監禁殺人事件をモデルに書かれたようです。
とても凶悪でおぞましい事件なのですが、私はボンヤリとしか覚えていなかった。
あまりにも猟奇的で残酷な事件内容のため、報道側が自主規制したためでもあると思われます。
この凶悪事件と小説の事件内容がどれくらいリンクしているかは分かりませんが、
『ケモノの城』は、とにかくひどい事件であり、死体処理方法が気持ち悪い。
サイコパス
そしてこの犯人は間違いなく『サイコパス』です。
本当の事件の犯人も、間違いなく『サイコパス』であろうと想像できます。
『サイコパス』は最近ブログに書きましたが、脳科学者の中野信子さん著書の『サイコパス』が参考になります。
この『サイコパス』を一言で言えば「脳障害者」です。
これはあくまでも私が感じた印象であって、正しい表現方法ではないことも付け加えておきます。
ストーリー:事件内容
『ケモノの城』の始まりは、少女が警察に身柄保護を求める110番通報があり、監禁事件が発覚し、さらにもう一人の女性を保護するところから物語が展開していきます。
そして、この二人の女性から、信じがたい内容の監禁事件が露わになっていきます。
犯人とされる男は、人の心に入り込み、自分の思うとおりに操ります。そう、マインドコントロールです。
なぜそんなことができるのか、なんのためにするのか、どんなことが行われていたのか。どんな人間で動機はなんなのか、どんな監禁状態で、犠牲者は何人いるのか。
監禁されていた女性から、次々に明らかにされていくこの事件内容。
ストーリーは詳しくは書きませんが、事件内容を聞くと、昔の私なら気持ち悪くなり横になっていたかもしれません。
ストーリー:3つの場面
『ケモノの城』は、3つの場面が切り替わり話は進んでいきます。
*二人目の女性と担当刑事との取調室での調査
*若い刑事目線の捜査状況
*ある若いカップルの私生活
ミステリー小説なので、謎の解明部分はあります。
そのため否応なしに謎が深まり、推理の底なし沼に陥ります。
事件と若いカップルが徐々にリンクしていくと、事件が少しずつ動いてく構成になっています。
マインドコントロールから逃れるためにも
ヒントにはならないと思いますが、私の考えた推理で、
*現場の部屋が2箇所
*男性だと思ったのが女性だった
このようなトリッキーな推理はありませんので、謎を楽しんでください。
でも、とても気持ち悪い死体処理があるので、『ケモノの城』は強くお勧めはできないでいます。
ただこの小説は、衝撃でありながらも読むことを止めることができません。
『ケモノの城』は現実に起こった事件をもとにした小説なので、いつ自分にも降りかかるかも分からない怖さもあります。
監禁やマインドコントロールから逃れるためにも、読んでおいた方がいいかもしれません。
誉田哲也さん
著者の誉田哲也さんは、テレビドラマにもなった『ストロベリーナイト』や『ジウ』の作者です。
私も『ストロベリーナイト』の姫川玲子シリーズを、よく読んでいます。
他にも警察小説を多く書いており、わりと好きな作家さんの一人です。
そんな作者だから買った小説でしたので、誉田哲也さんでなければ読まなかったかもしれません。
あなたは『ケモノの城』を読みますか?読みませんか?